LOVE SICK
「答えたら、君を離したくなくなると思うんだ……」

「……はい」


少し、諦めた様に微笑する彼は、私の目には今迄で一番綺麗に映る。

少し、情けなくも映る。

とても、愛おしいと、思う……


「苦労、するよ」

「はい。貴方の荷物を分けて欲しいんです」


確かめる様に言った彼に、はっきりと想いを告げる。


「私が欲しいのは、それです」


それがただ、私が求めていたものだ。
私の、想いだ。

与えられるだけじゃ、嫌なんだ……



不意に、私の左手引き寄せられた。

眩しかった太陽の光が遮られる。

久しぶりに感じた気がする。
懐かしい気持ちすら込み上げる。
その香りに、涙が零れた……


「るう……愛してる……」


そっと彼の大きな背に手を回す。
それだけで、きっと全ての答えになると思う……

その手を離さない事が、全ての答えになると、思う……
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