甘い言葉で
4 昔の記憶


キャンプ場までの道のり。
バスに揺られてあたしは夢の世界へ出掛けていた。
多分、今日のキャンプが楽しみで興奮していたから寝られなかったせい。


小学校の遠足前だって、運動会前だって、修学旅行前だってちゃんと眠れたのに。
去年のキャンプ前だって寝られた。
なのに、今年はどうよ。
何かあるっていうのかな?
楽しいことなら良いんだけどね。




あれ?ここ、サチの住んでる団地の公園だ。
あ、そうか。あたし、遊びに来てたんだ。
なのに、なんか小さいよね、あたし。
あ、サチと自転車に乗ってる。おやつも食べてる。
砂場で遊ぶの楽しかったなぁ~


ん?向こうから知らない男子が来た。
同級生じゃないな?.........年上っぽい。
なんか見たことないもん。この兄ちゃん。


サチとおしゃべりしてるのに近づいてきた。
何だろう?何か用なのかな?
サチの知り合いなのかな?
え?
サチも知らないの?
じゃあ、なんでこっちに来るの?


え?
ここで遊んじゃダメなの?
なんで?
あたしが団地の子じゃないから?
サチがいるからいいじゃん!


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