甘い言葉で


「あれ?ユズくん、早起きなんだね」


平常心を保ちつつ、急に昨夜の肝試して肩を抱かれたことを思い出す。
あたしの顔、どうなってる?変じゃないよね?


「うん。あゆみちゃんの歩いてる姿が見えたからね。二度寝しようと思ったけどやめたんだ」


ユズくんはあたしの問いに答えながら少しずつ距離を縮めてくる。


『何故に近寄る!』


あたし達、そんなに仲良しじゃないですよね?ましてや恋人じゃないんだし。
って、あたし......意識しすぎですか?


「え?そうなの?誰も見てないと思ったのに......だってまだ5時過ぎだよ?」


頑張れあたし!イケメンとなんとか会話続けてますよ。


ふと、静かな時間ができると
『はっ!』
と、思ってあたしは辺りをキョロキョロする。
突然辺りを見回すあたしにユズくんも不思議そう。


「あゆみちゃん、どうした?」


「いや、えっと......ね。ユズくんと一緒にいるところをユズくんファンのお姉さまに見つかると視線が刺さって痛いというかなんというか......ね」


シャワー待ちしている時のあの言葉はキツいよね.........
あたしはユズくんから一歩離れてそう言った。


「あいつらに何か言われた?」


ユズくんはあたしが作った距離を意図も簡単に縮めてきた。
と、いうか......今度は腰に手をあてがってきた。


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