一夜限りのクリスマス


……──木枯らしが吹いている。




今日は12月24日。




ホワイトクリスマス……なんて言うもんじゃない。




どんよりとした雲、ほとんどの葉が落ちた木々。



乾燥した空気に、肌に突き刺さってくるような風。




言われなければ、クリスマスイヴだなんて忘れてしまいそうな、そんな天気。




今年も私はクリぼっち(クリスマスひとりぼっち、彼氏がいなくてひとりでクリスマスを過ごすこと)なのだろうか。




「あ〜っ!マジで寒ぅ!!」


私は首に巻いたマフラーを、手ぶくろをした手でぎゅっと抑えた。


首に押さえつけることですき間が埋まって寒さが抑えられる気がするのだ。








友達は、今日は彼氏とデートらしい。



別に私だって、ひとりといえど好きな人がいないわけではない。





ただ、勇気がないだけ。











……という言い訳をしてみる。
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