WiSΗ
第六章 痕跡

だるい朝。

眠い目をこすりながら
昨日の夜を思い出す。

あたしは
今回の試合
スコアはかなり
悪かったけど
なんだか気持ちは落ち着いてた。

帰ってくると
もう9時を回っていた。

お母さんは
何をいわれても
謝り続けろっていった。

「全てあんたが悪いんだから。」

とどめの一言。

ただいま

そう言いながら
リビングを見ると
お父さんと健太の声が聞こえた。

「下手ー!」

健太の言葉に
胸が締め付けられた…。

「おい。言うこと聞かんと態度でかいからこんな事なるんじゃ!」

あたしは
起こられているのに
あたしは悪くないんだって
そんな感覚で
一杯だった。

あたしが部屋に戻ろうって
階段を登り始めたとき…。

「健太はあの逃げてばっかりのズルい奴にはなるなよ。」

「うん!!」

―ズキ

あたしは
胸が痛くて
倒れそうだった。

だけどなんとか
部屋にいった。

机に
小さな紙袋があって
その中には
Tのキーホルダーがあった。

きれいに補正されてた。

あたしは
お兄ちゃんに

ありがとう

って
メールを送った。
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