WiSΗ

鈴村とは
全く話せなくて

あたしは
山ちゃんの背中を
見るばかり。

鈴村は
山ちゃんと別れて
辛かったよね

別れたく
なかったよね

あたしのせいだ。

6時間目は
生徒集会だった。

体育館へ
移動するとき

「白状しいやあ。」

「本当だってえ。」

山ちゃんが
言ってきた。

「絶対好きやんかあ!」

「友達の好きな人を好きにならないから」

「誰のこと?」

「友里亜だよ。」

「あーね。」

なに言ったって
信じないだろーけど。

「一応頭の片隅に入れとくわ。」

どうしよう…

もう
好きなんて
想っちゃいけない。

もしも
鈴村に
あたしがそんな風に
想ってるなんてことが
耳に入ったら
どうなるのかな…

誰にも
言っていない気持ち。

だとすれば
山ちゃんの想像。

想像だとしても
山ちゃんから
みんなへ伝わるだろう。

いっそのこと
早く卒業したい…
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