愛してると囁いて【短編】
クイズ
クイズを始めた俺達は公園のベンチに腰をかけた。

冷たい緩やかな風が俺達を通り抜ける。



「ん〜…じゃあ、まずヒント出してよ」



軽く首を捻って俺を見上げた。

マジでこいつわかんねぇのか。



「ん〜今日は俺が何か貰う日〜っ」



腹の内でケタケタと笑いながら一つ目のヒントをあげた。

歌音のことだからこれだけじゃ絶対無理だろう。



「あ!かつ君の誕生日とか!」


「ハズレ。てか、俺の誕生日は夏って知ってるだろ?」


「そ、そっか…むぅ……」


「で、それは絶対美代ちゃんとやらには貰えない」


「え〜!美代ちゃん優しいから誰でもプレゼントあげると思うのに…」


「あ〜…もしかして貰えても、本物は俺にはくれない」


「え〜…本物〜?」



真面目に考えてる歌音をいいことに、俺は歌音の首までのびた襟足の髪で遊び始めた。

指にくるくる巻いてみたり、流してみたり。


案の定、歌音は集中しているのか全く気付くそぶりを見せなかった。馬鹿だな。



「誰だったら本物くれるの?」


「ん〜…いろんなコ」


「えぇ〜…わかんないよ…」



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