犬系男子を被った王子様
授業中、私はチラッと香の席を見る。
香、どうして水瀬くんと別れたんだろう…
さっきからこの疑問が頭の中を駆け巡る。
それに、誰を学級委員に選ぶかも迷う…。
「はぁ…」
私は小さく溜め息を漏らす。
結局、さっきの事が頭から離れず授業に集中出来ずに終わってしまった。
そして、かなり時間がたち昼休みに入った。
「淋~ご飯たーべよ♪」
香はお弁当箱を私に見せながら微笑む。
私はキョロキョロと、周りを見る。
今は人がそんなにいないし…聞いても平気かな…。
私は深呼吸をして香を見つめた。