愛してるの代わりに
「今更なこと聞くけど、やっぱり未来ちゃんも持ってるの?」

「まあ、ねぇ。脱がしたら一緒じゃんって言われるかも知れないけど、一応はね。それに、気付いてくれる人は気付いてくれるのよ。自分の為にって喜んでくれる人もいるし、結構それって嬉しいもんだよ」

手元にある素敵な下着を見つめて考える。

慎吾は気付いてくれるのだろうか。

もし気付いてくれるのだとすれば、嬉しいなと素直に思えた。

気付いて喜んでくれるのであれば、持っててもいいのかもなぁ。




雛子の心情の変化に気付いた未来が、店員に声を掛ける。

「すみません。試着ってさせてもらえますか?」

「もちろんです。こちらへどうぞ~」

店員の営業スマイルと親友のイキオイに押され、試着室へと体が押し込まれていく。


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