噂の京くんの素顔



気になって、目を少しずつ開けてみる。




「わ…う、うそ」





その後ろ姿が本当にあの結城京かは分からないけど、彼は5人の不良を相手に次々と喧嘩を買っていく。



うめき声をあげて最後の一人が倒れた時、しまったと思った。





この暗闇で、定かではないけど…きっと今



目があった




…多分。






「今見ただろ」




…逃げよう。


そう思ったけど、建物と建物の狭い隙間に入っている私に逃げ場なんてない。

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