同級生

「なんでそんなに自分責めるんだよ!みやびの過去はみやびだけが悪いんじゃな…」

「もう疲れたの!」

「みや…」

「こんなやりとりもっ…」





彼女の腕を掴んでいた僕の手の力がだんだん緩んでいった。


彼女はぐっと涙を飲み込んで、震え気味の大きなため息をついた。




「本当にいろいろありがとう!付き合って後悔なんかしてないし…高原くんは?」

「してないよ…」

「よかった!…それにしてもこんな遠くまで来てくれるなんて、私そんなに魅力的!?なんて!」

「うん」

「ははは、またまた!」

「ほんとだよ…」

「…ありがと」




その後、しばらく僕らは何もしゃべらずに、ただ2人きりだった。

まるで時間が止まったかのように…



本当に止まってしまえばいい…








「…さて!私、もっと強くなるよ!高原くんも…元気でね!」

「そしたらまたやり直せるかな!?」

「…わかんない!そう…なれたらね。…ばいばいっ!」




最後、彼女はとびきりの笑顔を残し、帰っていった。



明け方の静かな病院…
彼女の足音がだんだん遠のいていく…



< 146 / 164 >

この作品をシェア

pagetop