同級生

「そうか…。そうかもな」



僕の芽は…もう出たのだろうか…?


いつ出たのだろうか…?



もしかしたら…まだ眠ってるのかもしれない。





「あとどれくらいだっけ?」

「まだ今から半分くらいだよ」

「そうなの?ごめんね、大丈夫?」

「僕は大丈夫だよ」




空港までの距離はかなり長い。
まだまだたくさん話せる…。


何を話そう…




考えていたら、わからなくなってきた…。




「い…いとこも元気!?」



…何を聞いてるんだ、僕は。



「うん。由衣ちゃんはまだ一緒のとこにいるの。啓太くんは結婚して田舎に帰ってきたみたいよ」

「そう…」




…思いきって聞いてみた。



「…みやびは?」

「え?」

「結婚…とかした?」

「うん。したよ」



あっ…さり答えた。



「あ…そう!おめでとう!…よかったな!」



僕もさらりとお祝いを言った。



…けど僕はなぜか動揺している。



彼女は…もう本当にきれいさっぱりと、僕とのことは吹っ切れていたんだ。



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