オヤスミナサイ~愛と死を見つめて~
涙目で笑みをつくるさやか。

強い意志。私も、自分の恋を大切にしようと思った。

「たっだいま~」

静寂な空気を割くようにして、帆乃香の声がした。

「日本酒、買ってきたよ」

鈴が荷物持ちだったらしい、コンビニの袋をどん、とテーブルの上に置く。

「わ。一升瓶」

さやかが驚く。一升瓶なんて、久しぶりに見た。

「飲も飲も~」

帆乃香が、瓶のキャップを開ける。

「帆乃香は、初めの一杯だけね」

「なんでぇ」

「あんた、もうボロボロじゃない」

「大丈夫よ~、鈴」

「さっきだって、何回電柱にぶつかりそうになったことか」

「へへへ」
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