SEL FISH

「俺、会計の担当だから。祈璃の名前も入れとくよ」

「アキ……ちゃんと仕事してんだね」

「いつも委員会で遊んでると思われてたんすか」

「あたし、初めてきちんと文化祭準備に参加するかも」

学校は嫌いじゃない。嫌いじゃないけれど、それ以上に好きなことがあった。

「だね」

「え、気付いてた? そっか、あたし存在感あるからね!」

「イノリズム健在だね」

ノートを閉じる。内装外装を作り始めるクラスメートを見て、決めた。

「堂本さん誘ってゲーム買いに行こうよ」

「……いきなりサボり発言」

現実と理想は別物だから、仕方ない。



end.
20150622


< 150 / 328 >

この作品をシェア

pagetop