SEL FISH

きょとんとした顔でこちらを見る。

「えー……っと、来ないけど」

「けど?」

「昨日あんなこと言った人間に、よく話しかけられるね」

その話をするつもりも、戻すつもりもなかった。もう終わったことを掘り返すのは好きじゃない。

「藤沢さんがあたしに嫌われたいことと、あたしが藤沢さんに疑問を投げることは関係ないよ?」

「関係あるでしょ……逆に、別々にして考えるって方が……」

言いかけて止まる。教室にお客さんが入ってきた。大学生くらいの男三人。

チャラいというよりは、柄が悪い感じがした。ナンパしてきてもあたしは断る。



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