星空の奇跡【短編】
*七夕*
コンコンと、高級なドアをノックする。


「間宮です」


《入って》


中から学長の声が聞こえ、緊張しながらも、ゆっくりとドアを引いた。


「失礼します……」


普段、学長から呼び出される事なんて滅多にないから、恐る恐る学長の顔を見る。


「実はな……お前にトラをお願いしたいんだ」


「トラって…どこかの楽団のエキストラですか?」


「あぁ。お前ハープを弾けるだろ?ハープ奏者が骨折して、だめになったそうだ。だから、この学校で優秀なハープ奏者を1人お願いしたい、と連絡が来た」


「それは……どこの……」


エキストラなんて、今まで声をかけても、もらえなかった。


ごくりと唾を飲み込む。


「日本交響楽団だ。」


日本交響楽団は、日本で1番有名なオーケストラ楽団……。



嘘……?



その楽団の演奏会に、私が一緒にステージに上がり、演奏をするのがエキストラ……。


「悪い話ではないが、少々急でな。本番は1週間後だ。7月の第1週末。これ、楽譜だから練習しとけ。」




どっさり楽譜を受け取り、またレッスン室にこもった。



どうしよう……。



こんなにたくさんの曲、1週間後に弾けるかな……。





< 5 / 21 >

この作品をシェア

pagetop