桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「で、おじさんは何て?」


「あれ、何も聞いてないの?」


「うん。総長は亜柚菜だからって。亜柚菜から指示をもらえってさ」


いや、組が関わってる時点で、お父さんが指示出す方がいいと思うんだけど…。


でも、本当は自分が指示を出したいんだろうな〜。


麗のこともあるし。


それでも私に任せてくれたのは、族と組では違うとわかっているからだろう。


「白龍を守り、轟を潰せって。…柚瑠としてではなく、亜柚菜として」


「若頭じゃなく、総長として…か。おじさんは本当にすごいね」


「自慢の父ですから」


2人で顔を見合わせ、笑い合う。


この時間が私はとても幸せで大好き。


だけど、ずっと幸せに浸っていられるわけもなく。


「あの3人は何者なんや?見たこともある気ぃもすんのに、全然思い出されへんし!」


っと、忘れてた。


今はこっちを早く片付けないと。



< 187 / 230 >

この作品をシェア

pagetop