桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「っ悠里!」


「遅いよ、亜柚菜」


「ごめん!ちょっと白龍に捕まっちゃってさ!」


手を合わせて謝ると、悠里ははぁ…とため息をついた。


ため息ついたら幸せ逃げるのにー。


「今日は桃姫のスタイルなんだね」


「うん、こっちの方がやりやすいしね」


柚瑠の姿でまた見られたら捕まっちゃうし。


それはそれでめんどくさいから。


「そうだね、僕もそっちの方がしっくりくるよ」


「やっぱり?それに、この姿の方が何かと都合がいい」


みんなは〝私〟を桃姫と知っている。


だからナンパはされない。


その上、質問したら怖がって全部吐いてくれる。


うん、すごく便利。


てか、どんだけ私って恐れられてるわけ?


って思うのがいつものこと。


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