桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「「お帰りなさい!お嬢!」」


「ん、ただいま」


厳つい顔の組員にお出迎えされ、中へと入る。


「ねぇ、お父さんは?」


「組長でしたらお部屋に」


「ありがとう」


組員にお礼をいい、組長室へと向かう。


圧倒的な存在を見せる組長室。


最初見た時は驚いたっけ…。


コンコンとリズミカルにドアを叩く。


お客さんいたらいけないしね。


「お父さん?私だけど…」


「おお、亜柚菜か。入ってこい」


中に入ると、机と向き合うお父さんがいた。


「お父さん、どうかしたの?」


「ああ、少し問題があってな。そこで〝柚瑠〟の出番だ」


お父さんの言葉に、すっと組仕様に変える。


〝私〟から〝俺〟に。


〝亜柚菜〟から〝柚瑠〟へ。


〝柚瑠〟は若頭としての名前。


女ってバレたらいろいろと面倒だからね。


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