桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「…っあ、亜柚菜。お父さんが呼んでたわよ」


「お父さんが?」


「ええ。本家の方にいると思うから」


「ふーん…」


お父さんが…。


絶対何かあったんだ。


「じゃあ、本家の方に行ってみる」


「ええ。よろしくね」


「うん」


私のお父さんは、他とは違い、ちょっとレアな仕事をしている。


〝波多野組〟


それが私の家。


もうわかる人もいると思うけど、私の家は俗に言うヤクザの家系。


そんで、私が若頭ってわけ。


お父さんから呼ばれて、しかも本家となると…。


やっぱり仕事かな?


本家は家のすぐ横にある。


まぁ、一分もしないでつくけど。


ゆっくりとドアを開ける。


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