桃の姫〜最強姫の愛した族〜
「悠里…なんて?」


「轟の情報が入ったって」


「轟…。あゆねぇ、行っちゃうの?」


目に涙を溜める麗を、玲也が頭を撫でてあやしている。


仕事仕事の日々で、ちゃんと構ってあげられていないからな。


寂しい思いをさせているのはわかっている。


だけど2人を守るためにも、俺は仕事をするしかないんだ。


「麗、兄さんは僕たちのためにも頑張ってくれてるんだ。笑顔で見送ろう?」


「っうん。…お仕事頑張って、気をつけてね」


麗…。


いつも玲也に言われても、最後は泣きついてくるのに…。


日々成長してるってことか。


それが少し寂しいと感じてしまうのは仕方ない。


「ありがとう。玲也、麗のこと、そして白龍のことよろしく」


「うん、任せて」


玲也に任せとけば後は大丈夫。


2人に微笑み、屋上を後にする。


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