桃の姫〜最強姫の愛した族〜
南沢に頼んで置かせてもらっていたバイク。


使うことはないと思っていたが…こんなところで使うことになるとはな。


バイクに被せていたシートを外し、バイクへと跨る。


ゆっくりとバイクを走らせる。


最近乗っていなかったから整備も何も出来てねぇし、心配だったが…。


バイクは絶好調だ。


多分、こんなこともあろうかと南沢が整備しててくれたんだろう。


あいつはそんな奴だからな。


そんな事を考えてる内に倉庫についていた。


バイクを定位置に置き、扉の前へと立つ。


そういえば、倉庫にくるのは久しぶりだったな。


総長のくせに、仕事でなかなか来れなかったし。


みんな元気かな?


「こんにちわ〜」


「え、総長?!」


「男装ですか?似合ってます!あ、こんにちわ!」


…そういや、〝柚瑠〟のままだった。


上に服あったかな?


「ん、サンキュー。上に悠里…いる?」


「います!あ、でも…」


「ん?どうかしたのか?」


何でそんな言いずらそうにするんだ?


「いえ、悠里さん…少し難しそうな顔をしていたので」


難しそうな顔?


まぁ、だいたい予想はつくけど。


「わかった。話聞いてくるよ。みんなはのんびりしてて」


「はい!!」


ん、いい返事。


さてと、そろそろみんなのところに行きますか。


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