Happy New Life!【完】
「はぁ…」
ひとりになった私は大きなため息をつく。
クリスマスの終わったジュエリーショップは、閑散という言葉がぴったりだと思う。
昨日までカウンターがカップルでいっぱいだったのに、今日は午前中にリペアのお客様が見えただけ。
私、沖野沙穂(おきのさほ)はここ“メテオーラ”の店長を務めている。
路面店ではないが、有名百貨店の一角にある店を任せてもらえると決まったときには、不安よりも喜びでいっぱいだった。
大学を卒業してから十年。カウンターに立ち続けた私がやっと手に入れたのが今の地位だった。
おかげさまでこの十二月も目標を上回る成果が出せた。もしかすると本部から店舗表彰がもらえるかもしれない。
お店のみんなで勝ち取った成果だ。
恵美ちゃんなんか「お祝いしましょ~」なんて騒ぐに違いない。
私だってみんなの苦労をねぎらおうとは思う。
しかし昔みたいな感情が湧き上がらない。
店長になった時ほどの、仕事への情熱が今の私にあるかというと……そうは言いきれなかった。
ひとりになった私は大きなため息をつく。
クリスマスの終わったジュエリーショップは、閑散という言葉がぴったりだと思う。
昨日までカウンターがカップルでいっぱいだったのに、今日は午前中にリペアのお客様が見えただけ。
私、沖野沙穂(おきのさほ)はここ“メテオーラ”の店長を務めている。
路面店ではないが、有名百貨店の一角にある店を任せてもらえると決まったときには、不安よりも喜びでいっぱいだった。
大学を卒業してから十年。カウンターに立ち続けた私がやっと手に入れたのが今の地位だった。
おかげさまでこの十二月も目標を上回る成果が出せた。もしかすると本部から店舗表彰がもらえるかもしれない。
お店のみんなで勝ち取った成果だ。
恵美ちゃんなんか「お祝いしましょ~」なんて騒ぐに違いない。
私だってみんなの苦労をねぎらおうとは思う。
しかし昔みたいな感情が湧き上がらない。
店長になった時ほどの、仕事への情熱が今の私にあるかというと……そうは言いきれなかった。