孤独女と王子様
"いいよ、座ってて"と剛さんは言いながら、続きを話してくれた。

剛さんのお姉さんの実穂さんは、いわゆる"デキ婚"だった。

ナルガク時代の同級生とつかず離れずの付き合いをして、妊娠をきっかけに結婚をした。
それも、実穂さん曰く"究極にこの人の子供が欲しくなった"そうだ。

当時生後6ヶ月だった長男の爽磨(ソウマ)くん。
実穂さんはその前から仕事にしていたフローリストの関連で、どうしても一日だけ誰かに預けなければならなくなってしまった。

普段なら成瀬川家のお手伝いさん、もしくは長男の亮輔さんの奥さんの千寿さんに見てもらうのを、そのころに結婚を決めた健吾さんたちにわざわざ預けた。

『姉さんは、レナっちの生き方が、ケン兄さんを悲しませるかも知れないと思ったらしい』
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