孤独女と王子様
『お互い、体調には気をつけて、頑張ろうね、由依』

舟さんとの結婚を機に、群馬の小料理店は畳んだ律子さん。

こうして見ていると、何年も前から舟さんの奥さんなのではないかって言うくらい、この2人はしっくり行く。

鍬形の家に行くと、毎回これからもあの2人に当てられっぱなしになるんだろうな。

でも、それも悪い気はしない。

『剛さん』
「ん?」
『あの2人に負けちゃだめだよ。私達だってラブラブだもん』

どうやら由依ちゃんも同じことを思っていたみたいだ。

「もちろんだよ」

自分達が住むマンションの地下駐車場から家に着くまでのエレベーターに乗っている時間さえももったいなくて、僕達はずっと深いキスを落とし合った。
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