孤独女と王子様
☆大勢の前で愛を誓う~side YUI~
パーティー当日。

タエコさんによって完成したドレスはエメラルドグリーン

あれから結局少しサイズを大きくしてもらった。
・・・妊娠の事実を告げて。

里絵子さんは当然大喜びした。
そして"女の子がいいわ"と、最後の衣装合わせでアトリエにお邪魔した時、立ち会ってくれた里絵子さんに言われた。

こればっかりはどうしようもない。

ちなみに剛さんとは"五体満足であればどちらでも"と話し合っている。

ゴールドヘブンリーホテルの会場"マーキュリー"の隣にある控室。

そこで会ったお母さんは、サーモンピンクの留め袖。

妊婦に着物は、キツそうだけど・・・

『アンタと違うの。私の年齢を考えて。ドレスなんか無理よ』

剛さんと2人でお母さんの話を聞いている。

『ま、俺はどんな服でも律子はキレイだから』

そう言ってお父さんはお母さんの鼻を指でつついた。

「ちょっと、娘の前でイチャつくのやめてもらえる?」
『俺だって新婚なの。いくら由依でもそれは聞き入れられないな』

そう私に言ったお父さんは、50には見えない若々しさだ。
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