孤独女と王子様
病院の指示どおり、まずは由依ちゃんにシャワーを浴びさせた。
まだ陣痛間隔は20分ほど。
余裕がある。

そして母さんも乗せて一緒に病院に行った。

結局、最初に診察してもらった東都大医学部付属病院でずっとお世話になっており、今回の出産もそこで行う。

立ち会い出産も行っており、僕は何度か研修を受けた。

頭にシャワーキャップのようなものを被り、不織布の素材の術着のようなものを着せられ、マスクを装着し、分娩室に入る。

立ち会うとは言っても、男の僕では何もすることが出来ない。
ただただ、由依ちゃんの手を握るだけ。

陣痛に耐える由依ちゃんは顔を歪めている。
これが"産みの苦しみ"

女性の大変さを痛感した。

分娩室に入って6時間。

午後3時20分。
無事に産声を上げた。

僕達のところも女の子だった。

由依ちゃんの傍らに一時寝かされた赤ちゃんは、2900グラム。
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