孤独女と王子様
『自分を守ろうとして、プライドを傷つけられたくないもんだから、友達いなさそう。いても、自分はガキ大将でその子分みたいな連中しかいないんじゃない?そんなの、友達じゃないし』

私はハっとした。

ガキ大将うんぬんはともかく"自分を守ろうとして、プライドを傷つけたくない"という花村さんの言葉には、そのまま思い当たる節があり、私は俯いた。

『どうしたんですか?神戸さん。僕、変なこと言いました?』
「い、いえ・・・」

友達かぁ・・・
今から誰か作った方がいいのかな。

友達いないと、遠藤部長のような人となりに見られちゃうのかな。
人の心に触れないと、己の成長もないのだろうか。

友達・・・
ふと、剛さんのことを思い浮かべた。

でも私はスラジェの帰り際にあんなことを言ってしまった手前、歩み寄りにくい。
虚勢を張ってしまった自分が悪い。

メールでの剛さんは、まだ私のことを知りたいと言ってくれている。
私が殻を破れば、私のこのつまらない性格も変わるのかな。

でも、怖い・・・

怖い・・・

帰りの電車の中で、そんな葛藤をしていた。
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