絆テレパシー
閉められたカーテンの隙間からもれた太陽の光に眩しさを感じ、俺は目を覚ました。途中、目を覚ました記憶がないので、場所はリビングのソファのままだ。ちなみに、服は寝転ぶ前に着替えておいたので制服が乱れることはない。しかし、記憶にない閉められたカーテンやかけられた毛布から考えるに母が夜中に帰宅したらしい。父は俺が幼い頃に他界している。兄弟もいないので結論に至るのには容易いものだった。

次に戸棚の上のデジタル時計を見る。AM7:32。約束の時間は10時だったので支度する時間は十分にあった。
俺は毛布たたみ、身支度を始めた。
一つ、また一つと、朝のうちに済ませておくことをこなしていくうちに時間は刻々と迫った。思い出したように不安感を感じる。しかし、もう後には引けない。
俺は一度固めた決意を揺らがないよう、より一層丁寧に家の掃除を開始した。――AM8:35

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