もう一度君の笑顔を
別れ

友紀side

金曜の夜。私は光輝と食事に来ていた。


先週、他の女の子とは高級フレンチに言ったくせに、私とはよく行くリーズナブルなイタリアンレシトランかよ!

とは思ったが、ここは美味しいし、それを気にするのはやめよう。


それに、もうどうでも良い事だ。


「なぁ、友紀」


「なに?」


名前を呼ばれて顔をあげると、光輝がこっちを向いていた。



ホントに嫌みなくらいイケメンだな。そりゃ、私だけじゃ役不足か。



そんなことを思っていると光輝が、


「来月は、友紀の誕生日だな。」


なんて行って来た。


「え?あ、うん。そうだね。」


一応、覚えててくれたんだ。そう思うと不覚にも胸がキュンとしてしまった。


だが、すぐに、週明けの女の子の顔を思い出す。


「その日は、定時にあがれるようにするから、お前も、定時にあがれよ?」


そう言われて、思わず頷きそうになったけど、それをグッと堪えた。


「友紀?」


そう呼ぶ声がこんな時に限って優しく聞こえるのはなんでだろう。


好きなはずのパスタの味もわからない。


目頭が熱くなるのがわかる。



「その必要は無いよ。」


「え?」


驚く光輝に私は続けた。


「別れよう。」


「・・・・・・。」
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