Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記
その後3人が話している内容をこっそり聞いていると、どうやらサッカー部の歴代マネージャーは部員と付き合って、別れるとすぐにマネージャーを辞めるということが繰り返されていたようだ。


だから私も、また歴代のマネージャー達と同じようにすぐ辞めるのでは?と疑っていたらしい。


やっぱり正直に言わなくて良かった。


言ったら多分、そういう目で見られていたと思うもの。


着替えも終わって外へ出ると、制服姿の海司が「よう」と言って右手を上げた。


「花音、一緒に帰ろう」


「帰ろうって…。恵介君は?」


「恵介なら、もうとっくに帰ったよ」


「えっ、帰った?」


なんで?


「だって、俺との勝負に負けたからー」


そう言ってニヤリ笑う海司を見ていたら、ガクッと膝が落ちそうになった。


勝負を受けるのもどうかと思うけど、その勝負に負けてあっさり彼女を残して下校するとは。


恵介君って真面目過ぎる…。


いや、違うな。


相手が海司だからだよね。


「どうした?浮かない顔してマネージャー室から出て来たけど」


「あぁ、ちょっとね…」


「あー、わかった。アイツらだろう?バスケ陸上ラグビーのマネージャーに何か言われたんだろう」


「どうしてわかるの?」


私、何も言ってないのに。


「だって俺、経験者だし」


「あぁ…」


そうか。


それもそうだよね。
< 210 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop