ミントグリーン~糖度0の初恋~




シンタくんのことを思うと必ず『妹』という単語がセットで付いてきて頭を離れない。


どんなことをしても結局『妹』なんでしょ?と、僻んでみたり。


雪から言われた『恋愛よりも家族愛』というアドバイスは頭の隅に居残ったままだし。




とりあえず、一番手っ取り早いところで


『とっとと大人になろう』


なんていう少しも建設的じゃないアイデアを捻り出して今日に至る。


少しでも早く大人になれば『妹』なんて言えなくなるんじゃないか……なんて何の根拠もなくて希望的観測にもほどがあるけど…。



それ以外何にも思い付かないくらい私は追い込まれていた。



「千波ちゃん?行こっか?」


ちょっと物思いに耽っていた私の肩を軽く叩いて踊子さんが微笑んだ。


私は黙って頷いて踊子さんと並んで歩きだした。


シンタくんに会うのは先月の引っ越し以来。



何だかすごくドキドキする。




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