ミントグリーン~糖度0の初恋~










「……ごめん。私、今日来ることシンタさんに伝えてなかった…」


「いや、踊子さんが悪いわけじゃないし。
私もシンタくんと連絡とってなかったから。
それにこれは予想できなかったでしょ。
週末とはいえ平日だし…」


言葉を切った私と踊子さんは顔を見合わせて


「「まさか、この店がねえ…」」


半ば呆然としながら店の入り口に貼られた紙を見つめていた。



『本日貸し切り』


そこにあったのは全く想定していなかった光景。


最近はそこそこ儲けが出てると言ってはいたけど、貸し切りするような団体を掴んでいるなんて…。



「私たち以外にここを貸し切る人がいるなんて…」

「想像も出来なかった…」



2人揃ってガックリと肩を落とした。


いつ来ても当たり前に入れると決めつけていた私たちが悪いんだけど。


こんなにツイてない誕生日ってある?



「千波ちゃん…仕方ないから今日は……」


踊子さんの言葉に渋々頷いて引き返そうとしたところで背後から大きなため息が1つ。



「地味に失礼だから。2人とも」


店のドアが細く開いて、シンタくんが顔を覗かせていた。





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