ミントグリーン~糖度0の初恋~


「はいはい。
やっと春からそばに行けるんだもんね。

思う存分頑張りなさい。
そうじゃないと鷹野も報われないし?


はい、お守り」



雪が私を無理矢理起こして、私に握らせたもの。



―――カイチくんの制服の第二ボタン。


さっき屋上で渡されたものだ。



「……いいのかなあ。
私なんかが貰っちゃって」


「いいんじゃない?
千波に貰ってほしいんだよ。
それにしてもさぁ…」


雪がクスクスと笑う。


「制服の第二ボタンで盛り上がれるのは中学生までかと思ってた。

あ、知ってる?

鷹野って今もだけど中学の時もそこそこモテてたんだよ?

制服のボタン後輩にねだられてたもん。

うちの中学は制服がブレザーだったから第二より第一のほうが心臓に近いとか言っちゃってね」


「……」

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