ミントグリーン~糖度0の初恋~
「日吉はね、気合いが入るほど髪を結ぶ位置が高くなる」
「な!? 何それー!」
思わず出てしまった大声にカイチくんがしてやったりという得意気な表情を見せる。
「やっぱり本人は無意識だったんだ。
生徒会の皆は気付いてたのに。
日吉のテンションはポニーテールの高さと比例してるって」
し、知らないよ…そんなこと。
口をパクパクさせる私に笑いながらカイチくんが続ける。
「一番高く結ばれたのがね、予算案全部作り直し事件の時。
もちろん覚えてるよね?
田中がさ、文化部の予算間違えて資料作っちゃってさ、大量に印刷やり直すことになっちゃって。
加藤木(カトウギ)は田中を叱り飛ばすばかりで、他の奴らはあまりに大きなミスに呆然として誰も動けなくてさ。
そうしたら日吉が立ち上がって言ったんだ。
『口より先に手を動かしなさいよ!
後輩に作業丸投げして最終確認怠ったあんたに田中くんを責める資格ないわ!』
……ってさ。
あの啖呵はカッコ良かった。
そのまま田中の手を引いて生徒会室飛び出してさ、慌てて皆で追いかけたら印刷室で一生懸命紙をセットしてた。
あの時は頭のてっぺんで髪が団子になってたもんな。しかも輪ゴムで」
本当に楽しそうに話すカイチくんを恨めしげに見つめてしまう。
もちろん覚えてますとも。
出来れば忘れちゃいたい思い出トップ3には入ってますけど。