ミントグリーン~糖度0の初恋~


「あ……あの……」



何か言わなきゃと声を出したものの先が続かない私に

『なにも言わなくていいよ』

とでも言うように右手を軽く振って、更に笑みを深くしたカイチくんが言ってくれた。





「頑張っぺよ!」


唐突すぎるその言葉に一瞬頭がついていかなかった。


「へ?……が……んば……?」


「うん。頑張っぺよ。日吉」


「…………」





頑張ろうよ。日吉。

地元方言バージョン。





「……何で訛ってるの?」


「うーん。何となく?

頑張るって言葉だけはこっちの言い方が好きだから」


「そーなんだ……」





頑張っぺよ。





突然投げてもらったその言葉は、私の中にじんわり染みていく。












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