ミントグリーン~糖度0の初恋~
「そうだね」
香折さんの言葉に素直に頷いた。
「あまり自分を見せたくなかったのかな?
カッコ悪いとことか知られたくなかった」
「見せてくれて良かったのに。
というより見たかったな。もっと色んなシンくんを。
私がもっとちゃんと見ようとすれば良かったんだけど」
香折さんが正面を向いて息をつく。
「そんなことないよ。
俺が勝手に縛られちゃってたんだ。
…………くだらない男のプライドに」
ついこの間、清海が言っていた言葉を思い出す。
本当に俺は昔から何も変わっていない。
あの頃もくだらないものに拘ってがんじがらめになってた。
「……ねえ? お母様の様子、今はどうなの?」
少し言いづらそうに話を切り出した香折さんに俺は正直に答えた。
「清海からも聞いてるんでしょ?
先週、千葉に行って会ってきたよ。
体はすっかり元気になって農業に打ち込んでる。
俺のことは、今でも忘れちゃったまんまだけどね」