ミントグリーン~糖度0の初恋~




千波は深い眠りに入っているようだ。


たぶん、昨夜は殆んど眠れなかったんじゃないかと思う。


俺もそうだから。


俺の場合は昨夜だけじゃなくて、ここ最近ずっと寝不足だけど。




香折さんと話して自分の答えを見つけてから、
どうやってそれを千波に伝えるかと考えあぐねた。


自分が千波のもとへ出向くことも考えたが、やはり店に来てもらうのがいいように思えた。


連絡を取って千波の都合を聞こうかと結論を出した矢先、清海から1本の電話。



「近藤さんのとこ、産まれたって。女の子。

しばらくは奥さん実家に戻るみたいだからその間に俺たちだけでお祝いしてやんない?」



そのきっかけを逃すことなく、俺は告白の日を今日に決めた。



みんなが店に集合する前に千波とゆっくり話して、自分の気持ちを伝えようと決心し、それに合わせて準備を整えた。



千波を付き合わせて買い出したのは、お祝いのケーキをデコレーションするための材料と今日だけで飲みきってしまうことが確実なアルコール類を数点。


千波には店に戻ってからも忙しいと言ったが、支度は今朝までに殆んど済ませてある。



今から川越に戻れば、2人で話す時間は十分に持てるはずだ。



千波は俺が全てを晒け出した時、どんな反応を示すのだろう?



不安が拭えない部分もあるが、それよりもワクワクする気持ちの方が強い。



やっと千波と向き合うことが出来る。


俺の想いを伝えることが出来る。






ガタン……ゴトン……ガタン……ゴトン……



電車は着実に俺たちを目的地まで運ぶ。


川越はもうすぐだった。

















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