ミントグリーン~糖度0の初恋~
「ホントにホント…です」
今さら発してしまった言葉を取り下げることも出来ず、私は半ばヤケになりながらシンタさんに笑いかけてみせた。
「うわ……」
シンタさんが私の顔をマジマジと見つめながら固まる。
「何か夢みたい。
俺ね、ホントに妹が欲しくて仕方なかったの。
まあ、親の都合とかもあるし、
そううまくはいかなかったんだけどね」
暫しの沈黙の後、シンタさんがしみじみと話してくれた。
「この歳になって夢が叶うなんて思わなかったや」
そう言いながら、ようやく視線を前に戻してきちんとベンチに座り直して、背もたれに身を預けるシンタさん。
その横顔は、まだキラキラと輝いたままで。
そんなに嬉しかったですか?
あれだけの言葉が。