ミントグリーン~糖度0の初恋~
「さて、それではお散歩再開しますか」
シンタさんが立ち上がって私を振り返る。
「うん」
私も立ち上がって、シンタさんの左側にくっついた。
「あ、そうだ。
おやつ食べる?こんなものしかないけど」
シャツの胸ポケットに手をやったシンタさんが取り出したのは、ミントのタブレット。
「欲しい」
左手を差し出すとカシャカシャという音と共に3粒のタブレットが乗せられた。
「ありがと」
そっと左手を握りしめた私を確認して、自分の左手にも同じようにタブレットを出したシンタさんは
「ん」とグーにしたその拳を差し出した。
「へ?」
首を傾げる私にシンタさんは笑いながら言った。