ミントグリーン~糖度0の初恋~
「鷹野ならうまくいくと思ったんだけどな」
ガタガタと椅子を引いて、私の前の席に座った雪がため息をつく。
「結局、この高校にいる間で千波に告白してきたのって何人?」
「……8人」
「すご…。よくモテた方だよね、千波。
私なんかさ…ってそれはどうでもよくて。
その8人の中では、一番千波に近付けてたんじゃない?鷹野って」
「それは…そうかも」
私は伏せていた顔を上げ、机についたままの腕に顎をのせる。
生徒会で一緒だったというのが大きな要因だとは思うけど、カイチくんは私がこの学校で一番親しくしていた男子かもしれない。
1年生までは陸上部だった私。
中距離(800m)の選手で走るのが大好きだった。
だけど、膝を悪くして退部。
抜け殻みたいになった私を見かねて、当時の担任が生徒会に推薦してくれた。