ミントグリーン~糖度0の初恋~
たった5年でまた悲しみのどん底まで突き落とされてしまった私たち。
特に清海兄ちゃんは、自分を責めて、泣き続けて、自暴自棄になってしまった。
どうやったら兄を立ち直らせることが出来るのか、まだ中学生だった私はその答えを見付けられずにシンタくんに泣きついた。
あのときの私は、春ちゃんを失ったこともとても悲しかったけれど、清海兄ちゃんまでどうにかなってなくしてしまったら…という恐怖の方が遥かに勝っていたように思う。
シンタくんは私の願いをきいてくれた。
もう一人兄がとても慕っていた近藤さんと2人で協力しながら兄を必死に支えてくれた。
そして、何とか元気を取り戻した兄に新しい出会いが訪れたとシンタくんから聞かされたのは春ちゃんがいなくなってから3年経った頃だった。