監禁されることがお仕事です

「やめっ、すみ、すみまーー」

謝罪しながら、彼が欲しい言葉はこんなことじゃないと自覚する。

体に教えられるようだった。

有り得るはずがないのに、男に見られ触られたのではないかと、触られたならば着衣に汚れがと、無理に服を脱がされた。

抵抗する。お決まりのように、無力化させる手錠の拘束。

君は俺だけのと、怨嗟のように繰り返し、首筋に痕をつけられた。

「もう、我慢ならない。言ったよね?気が触れるって。こうならないためにも、君をここに閉じこめたのに。どうして、出た。出たならなんでーーっ、一人でいたいならどうして、戻って来た!」

私を見下ろす彼の涙の意味を、はき違えていた。てっきり、激情から来る涙かと思ったのに。

「泣くぐらいなら、やめて下さいよ」

愛する人を傷つけている自覚があるからこそ、彼は泣く。

こんなことをしたくないのにと、その涙が語るようだった。

「ごめんなさい」

全部、私が悪い。

「ごめんなさい……」

心配をかけさせ、嫌なことをさせ、泣かせてしまい。

「ごめん、なさい……」

そうして、それでも。まだあなたを愛してしまっていることに。

「ごめん、私は……」

例え、人として狂っていると言われる域に彼がたどり着こうとも、そばから離れたくなかった。

彼の気が触れようとも、泣かせようとも、お構いなしに愛し続けてしまう。

謝罪を繰り返す。
彼が望まない言葉を吐く。
より、彼を悲しませ、暴走させようとも、ただひたすらに謝罪する。

また、少しした後にいつものように愛し合いたいからーー

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