ドラマチック・ロマンス
だから、その日の夜も、あいつを思い出してしまったんだろう。




クリスマスぐらい、あいつの顔を思い浮べたかったのかもしれない。




クリスマスだしって、俺は中学の屋上に辿り着いていた。



あぁ、一瞬でも良いから、あいつの顔を見てみたい。笑顔を見たいって・・・






高校時代の俺を良く知る杏にはすげー悪いけど・・・・やっぱり、俺の青春のすべては花菜なんだ。



人を比べるのはいけないと思うんだけど・・・・






あの頃の花菜の面影は、自然に杏と付き合い初めれば消えると思っていた。




けど、やっぱり・・・・なんか違うなって・・・・



それは、きっとちゃんと言えてなかったのだ・・・『好きです』と。





俺の青春の全部にいた・・・花菜とゆう奴。



何故、今更・・・たまらなく会いたくなるんだろう。










星たちが、導いてくれたのかもな。



この再会、偶然を・・・・







「さっみ〜な、俺ってば何やってんだろ。帰ろう・・・・」




と、屋上の扉へ向かおうとした瞬間。





もう、キミしか好きになれない。






と思った。




 

「・・・・花菜?」





「・・・・伊吹?・・・」




走馬灯のように、蘇って来る。あの頃の二人の姿。



教室で喋ったこと、手を引いたこと、笑い合ったこと、保健室。


どれもこれも、俺にはかけがえのない時で−−−−−−−−−。




俺は、この『再会』は『再開』だと決めた。





もう言わずに終わる後悔なんてしたくない。






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