【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「俺、教科書持ってきてないから、教科書見せて」
あぁ、怖いよ。
お化け屋敷なんかよりも全然怖いよ。
誰か助けて。
「聞いてる?」
「う、うん、も、もちろん……!」
イヤなんて絶対に言えない。
言えるワケない。
私が頷いたのを見て、拓磨くんは私の机に自分の机をくっつけた。
ち、近い……!
近いです。
む、胸がドキドキしてきた……。
「なに?」
すると、拓磨くんがこっちを見ていた女の子に言った。
「な、なんでもないです!!!」
それを見たクラスメイトはみんな、慌てて前を向く。
だ、ダメだよ脅しちゃ……!
なんて絶対に言えないけど、ね。
「アンタ、なんて顔してんの。変な顔」
「な……っ!」
あ、アナタが怖いからビビってるんだよ!
変な顔って、それ、普通女の子に言う!?