【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
話しかけないでオーラを放とうと、教科書の問題をテキトーに解くフリをする。
が、しかし。
さ、さっきから横からの視線がすごいんですが……?
いやいやいや、まさかね。
てか、クラスのみんなにこの人と付き合ってるってバレたら、私どうなるんだろう。
みんなにすごい目で見られそう。
あぁ、お願いだから話しかけないで。
お願いします神様……!
「教科書、開いてるページ間違ってるけど」
「っ!」
拓磨くんに急に話しかけられて、私の体はビクッと震える。
さ、最悪だ。
話しかけられてしまった。
私ってばなにやってんの。
なんでページ間違ってんの!?
あぁ、もう私ってバカすぎる……。
私のバカバカバカバカ……。
「ねぇ、聞いてんの?」
「あ……あぅ……」
怖くて言葉が出てこない。
というか、どんな反応していいのかわからない。
私が話しかけられているのを見て、クラスメイトがざわつく。