スナオじゃないキミ.






泊まるに当たって和くんに出された条件は
一つ。





“和くんのお母さんにバレないこと。”





私的にはかなり難関な条件。





部屋には入ってこないらしいけど、






トイレとかに行ったときバレたらアウトだ。





和くんのお母さんは女の子の出入りに




ちょっと厳しいらしい。






とりあえず夜ご飯は




和くんが宅配ピザおごってくれた。






「問題はお風呂だよなー。」




「お風呂? 」




「お前が入ってるときに母さんが洗面所きたらアウトだし、


二回もがたがたしたらさすがに怪しまれる。」





確かに宅配ピザでも怪しいよね。




これ以上迷惑はかけれない。





「あ、そうだ、銭湯行けばいいんだ。」




そう言って準備し始める和くん。




「遥奈俺のジャージでいい?」




「あ、うん。ありがとう。」




「すぐ近くにあるから行こっか。」





「うんっ。」




和くん部屋の扉から外に出る。




外は蒸し暑い。夏だなぁ。




「和くんの家ってなんで和くん部屋にドアあるの?」




「あぁ、あれ昔、親父の部屋で、



親父深夜に仕事で家出ること多かったから



夜、音立てて母さん起こさないように。」







「へぇ〜。素敵なお父さんだね。」






「今はアメリカに住んでるから


俺の部屋になった。」





「お父さんアメリカにいるの?」





「おう。仕事の関係で。

まぁ、再来年帰ってくるんだけど。」





和くんのお父さんってすごい人なんだなぁ。




外国に仕事で行ってるひと、




TVではよく聞くけど





身近で初めて出会った。








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