涙がこぼれる季節(とき)【完】
<吉崎修太郎>


「新キャプテンは、吉崎」


顧問の先生が発表する前から、野球部のみんなは、次期キャプテンはシュウしか考えられないよ、と言ってくれていたが。


オレは正直不安だった。


オレにキャプテンが務まるのか、と。




だが。


「キャプテン、がんばって」


約2カ月ぶりに、水沢がオレに向けてくれた笑顔。




不安がっている場合じゃない。


キャプテンとして、このチームをまとめることができたら――。


水沢は、オレを「男」として認めてくれるかもしれない。



オレはもう、悩むのをやめた。
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