狼少年と黒猫さん
「っ…で。この人が、新しい彼氏。」
紹介されて、ペコリとお辞儀をするものの、
反応が気になって、ついつい顔だけがこわもて君を見る。
「……これで、別れてくれますか?」
「お前、家はどうするんだ?」
家かぁ…家なき子かぁ…。
「この人の家に…住みます。」
「はぁ!!?ナニソレ!?」
カフェのBGMに、心を和ませていると、
問題発言発生。
「こいつ…と?」
「ん……。そう…なの。…ね?大神君。」
カレカノを演じるものの、暮らす宣言は、辛いよねぇ。
「えっ…と。うぅ…。」
困っていると、僕の隣に座っている黒猫が足を踏む。
こわもて君は向かい合わせに座ってるから、ガン見される。
「そうなんですよねぇ…アハハハァァ…。」
痛い…こいつ、体重ヤバイな…。
ずぶとい、ゾウの足で踏み潰された感覚だ。