Le Petit PrincesseII
「授業を始めます!」



言うと、ビアンカの手は何かを回すような動きをした。

ビアンカの手の動きに合わせて、後ろや横を向いていた生徒は前に向かされていた。




「このように、魔法はとても簡単です。
シンプルにイメージの力でできています。」




そう言ってビアンカは手のひらを上に向けると、杖のような棒が手のひらに現れた。


ビアンカは一番前の席にいたコロナに杖を向けると、コロナの制服の色が変わっていた。



それを見た生徒はみんな、歓声をあげた。



「このような魔法はとても簡単です。誰か一人に魔法を掛けたい時、確実に命中させたい時などは杖を使います。
杖を使う時は、自分の手のひらから杖を出す必要があります。
杖を出すのもイメージです。さっきのホウキと同じ!自分の手のひらから杖が出てくるのを強く思い描くの。
さぁ、やってみて!」




ビアンカが言うと、生徒も試し始めた。

ホウキの授業のお陰か、みんな杖を出す所までは簡単にできていた。




「みんな出来ましたね?では次に、隣の人の服の色を変えてみて!
それじゃあ…ブレザーの色を赤にしてあげて。」




ステファニーはエリックのブレザーが赤になる事を想像し、杖を向けた。
だがエリックのブレザーは赤ではなく、水色になってしまったのだ。


他の人も同様に、ピンクになったり青になったり茶色になったりと、教室中がカラフルになってしまった。



「赤にしたいって分かってはいるけど、やっぱりみんなの好きな色が出てきちゃうのね。赤のブレザーって言うのはこういう物よ。」



ビアンカはまた、みんなの目を閉じさせた。



するとステファニーの脳裏には赤のブレザーが浮かんできた。


「さぁ、みんなはこれをイメージすればきっと出来るわ!」



先生の声に、ステファニーもエリックのブレザーを赤にする。


「できた!」

「先生ー、出来たよ!」



みんなは成功すると、嬉しそうに言った。



「でも水色がいい!」


ステファニーはそう言うと、エリックのブレザーを水色にするのだった。
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